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生活景の結い
ー都電荒川線を主軸とした帯状生活圏ー

東京都北区王子

面的に都市を紡ぐ生活景のプラットホーム

都電荒川線沿線では、駅の間の距離が300m程度と一般的な

鉄道よりも近いことから、複数の駅前コミュニティが協力する風景が見られる

皆で協力して4kmに渡る都電荒川線の線路沿いにバラの植栽を行う地域コミュニティ。

古本屋が集まる3駅のエリアが協働でマーケットを開催し、様々な世代が関わる風景。

廃れた商店街の一角にて改修を行い、新たな地域の居場所を作る人達。

このような沿線の協力が現在は規模が小さく断片的なものだが、これらの協力を促す

人・モノの中継拠点を駅として新たに設計することで、都電荒川線の30駅全てが協力し合う

行政区を越えた地域コミュニティを新しく作るポテンシャルを見出した。

都電荒川線沿線が抱える問題として、商店街の衰退や、生活圏の狭い高齢者が多いこと
木造密集による改善が必要な地域を通っていることから、

沿線の高齢者達が人々と関わる場としての「コモンズルーム」

木密地域の解体材を、ストックする工房と再加工する「リサイクルセンター」

商店街の出張店舗が出店出来る「マーケットスぺ―ス」を駅に設ける。

都電荒川線沿線の人やモノを受け止めて送り出す心臓として、駅を機能させ、

木密地域の廃材はストックされた後、沿線の空き店舗改修の材料として使われたり、

個人商店主は衰退した商店街だけでなく、沿線一帯へと顧客形成を行うことが出来たり、

高齢者はアダプトプログラム等の出会いの場を作ることで自身の生活領域を広げることへと繋がると考えた。

 

 

敷地は荒川線の中間地点である東京都北区 王子駅前停留所。


JR京浜東北線や東京メトロ南北線などの様々な乗換が発生する場所では

多くの人が流れることから、様々な出会いや会話が生まれる。

都電荒川線と他の路線を繋ぐ乗換駅としてのウォーカビリティや賑わいと

沿線の生活における人・モノを支えるプラットホームを新たな都電の停留所の在り方として設計する。

 

現在は高架下にある都電荒川線の王子駅前停留所を、高架の逆側に新たに設計することで

緑豊かな飛鳥山公園と接続し、気軽に立ち寄れるようなプラットホームのデザインとした。

都電とJRの新たな乗換経路を作るように平面計画を行い、

乗換の最中に人々やモノが関わり合う様々な風景と多様な動線が街へと流れる。

 

カテナリーの大屋根の下で沿線の人々・モノは行き交い、頭上を

飛鳥山公園の緑が侵食してゆく。駅と公園の境界を解くことで都市へと駅を開く。

 

高架下となる部分の柱は場所によって曲率が異なるアーチとすることで空間に差異を与え、

人々の営みやふるまいがシーンとして切り取られる。

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自分たちが生活している外側の人々や生活景を映し出す装置として都電荒川線は機能し、

沿線での活動が発信され、人々が参画していくことで「結い」が生まれ、新たな地域コミュニティが形成される。

断片的に行われていた協働はこの建築によって紡がれ、都心周縁に新たな価値を創出する。

制作期間:2022年11月-2023年2月 
共同設計者:糸賀大介(都市計画)&大竹平雅(建築環境設備) 

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